ちいさな犯罪

腹膜炎で再入院して、退院できたのは良いのだが、どうも体力が回復しない。
寝るか座るかばかりでは体ができないので、少し歩こうと思った。
かといって、六甲山をトレッキングとかするわけにも行かないので、最近人工島のど真ん中にできた、巨大ホームセンター群に出かけた。
一キロ四方の敷地に巨大なホームセンターがどかどか突っ立っている、この場所で棺桶以外の大半は変えるのでは無いかという商品たち。
商品を見るだけで相当歩くだろうという魂胆。
小生の目的は、画材やさんの絵の具達だ。
その前におかあの希望で、まずガーデニングセンターに行く。
そこはフラワーショップなんて規模のものではなく、コンベンションといった方がぴったり来るような規模・・・・しばし絶句。
きゃあきゃあ喜ぶおかあをほっておいて、うろうろしていたら通路に小石がぱらぱらと落ちていた。
・・・箱庭にちょうど良いな・・・
軽い気持ちで通路の小石を一つぽっけに入れる。
遠くでそれをみていたおかあが近づいてきて、私の耳元で・・・
「それって・・もしかして・・・ま・ん・び・きよ」
どひゃ～んんんんんんんんん！！！

そおやったぁ。
たとえ親指大の石ころだって、お店に落ちていたら、それは立派な・・
ま・ん・び・き
立派な犯罪やぁぁぁぁっ！
40歳のええおっさんがそんなことに気がつかないなんてぇぇぇぇぇぇ。

急にポッケの小石が重たく感じられるようになってきた。
しかも熱くなってきたようなもする。
仲間を呼んで発光でもしているのだろうか・・・・
心の中で葛藤が続く・・
元のところにもどそうか・・・戻したところを見とがめられたらどうすんねん？
店員さんに自首しょうか・・・いや、いまさら格好悪い
意を決して、そのまま店外に出ることにした。
しかし、私の前に立ちはだかるのは、そう、それは・・・
盗難防止センサーぁぁぁ。
ええいっ、俺は自営じゃぁ。しかも休業中じゃぁ。もし今捕まっても、大して誰にもめいわくかけへんわいっ！と開き直って通過することにした。
心臓ばくばくさせながら、通過。
しかしだなぁ、石ころ一つでセンサーがなるわけもなし・・・

かくして、略縛され我が家に連れ去られた石ころどのは、次回作のアンドレアのバイキングの箱庭の脇役として起用されたのでありました。

どうか、これをごらんの皆様、お慈悲です、見逃してやってくださいまし。